四柱推命で二人の相性を見るとき、最初に並べるのはお互いの日干(にっかん)です。日干は生まれた日の天干で、命式の中の「自分」にあたります。本サイトでは同じものを日主(にっしゅ)とも呼んでいます。十干は十種類なので、日干の組み合わせは百通り。この記事では、その百通りを五行と陰陽の関係から読み解き、干合や同じ日干どうしの組み合わせも含めて一枚の早見表にまとめます。
1 日干は相性の入口——ただし五つある層の一つ目
日干どうしの関係は、二人が向き合ったときの基本の手ざわりを示します。どちらが相手を支えやすいか、どちらが相手に枠をはめやすいか、それとも似た者どうしか。ただ、相性を読む層はこれだけではありません。本サイトでは、日干、配偶者の位置である日支、互いの用神、恋愛にかかわる星、大運(たいうん)の巡り方という五つの層を順に重ねていきます。全体の手順は相性の五つの層、相性の基本的な考え方は相性の見極め方で解説しています。
日干はいちばんわかりやすい層ですが、いちばん決定的な層とは限りません。日干の関係は穏やかなのに日支どうしがぶつかる二人もいれば、その逆もあります。ここでは、その一つ目の層をていねいに見ていきます。
2 二つの日干の関係——五つの型と、三つの組
二人の日干の五行は、同じ、生む、生まれる、剋す(抑える)、剋される、のいずれかの関係になります。これを自分の日干から見て名前をつけたものが通変星(つうへんせい。十神とも)です。比肩・劫財・食神・傷官・偏財・正財・偏官・正官・偏印・印綬の十種類で、偏官は七殺、印綬は正印とも呼ばれます。
大切なのは、関係がいつも両側から成り立つことです。自分が相手を生むなら、相手から見た自分は「自分を生んでくれる人」になります。そのため五つの型は、実際には三つの組に整理できます。
| 五行の関係 | 自分から見た相手 | 相手から見た自分 | 例(自分と相手) |
|---|---|---|---|
| 同じ五行 | 比肩(同じ陰陽)/劫財(違う陰陽) | 比肩/劫財 | 甲と甲/甲と乙 |
| 自分が相手を生む | 食神(同じ陰陽)/傷官(違う陰陽) | 偏印/印綬 | 甲と丙/甲と丁 |
| 相手が自分を生む | 偏印(同じ陰陽)/印綬(違う陰陽) | 食神/傷官 | 丙と甲/丁と甲 |
| 自分が相手を剋す | 偏財(同じ陰陽)/正財(違う陰陽) | 偏官/正官 | 甲と戊/甲と己 |
| 相手が自分を剋す | 偏官(同じ陰陽)/正官(違う陰陽) | 偏財/正財 | 戊と甲/己と甲 |
つまり、比肩・劫財は同じ星を返し合う組、食神・傷官は印と、財は官と、決まった対になって現れます。「偏」と「正」の違いは陰陽で、同じ陰陽どうしの組(食神と偏印、偏財と偏官)は関わり方が直接的で強く、陰陽の違う組(傷官と印綬、正財と正官)はやわらかく、引き合う性質を帯びます。
3 同じ五行の二人——同じ日干(比肩同士)と劫財の組
同じ日干の二人(比肩同士)
甲と甲、癸と癸のように日干がまったく同じ二人は、互いを比肩として見ます。価値観やテンポが近く、説明しなくても通じる部分が多いのが強みです。仕事の相棒や長年の友人として、自然に肩を並べやすい組み合わせです。
摩擦が出るのは、似ているからこそです。同じものを欲しがって競い合う、どちらも譲らない、そして弱いところまで同じなので、苦手な場面で補い合う人がいません。たとえば二人とも火が足りない命式なら、同じところで同じようにつまずきます。比肩同士は、役割と得意分野を分けておくと、競争が協力に変わりやすい組です。
劫財の組(五行が共通で陰陽が違う二人)
甲と乙、丙と丁、戊と己、庚と辛、壬と癸は、五行が同じで陰陽が違う組です。互いを劫財として見ます。根は似ていても表し方が違い、甲のまっすぐさと乙のしなやかさのように、外からは対照的に映ることもあります。
劫財は「財を奪う」とも書かれる星で、お金や時間、人間関係といった限られた資源の配分で張り合いが出やすい組です。家計や仕事の取り分を早めに決めておくと、仲間としての強さが前に出ます。どちらの日干が身強か身弱かでも受け止め方は変わり、身弱の人には同じ五行の相手が心強い支えに、身強の人には少し窮屈な存在に感じられることがあります。
4 生む・生まれる二人——食神・傷官と印
木は火を、火は土を、土は金を、金は水を、水は木を生みます。片方の日干がもう片方を生む組では、生む側は相手を食神か傷官として、生まれる側は相手を偏印か印綬として見ます。
生む側から見ると
相手は、自分の力を外に出す先です。一緒にいると話したくなる、何かを作りたくなる、世話を焼きたくなる。傷官として見る相手(陰陽が違う)には、とくに表現を刺激されます。一方で、生むことは自分の気を相手に注ぐことでもあり、与える側が先に疲れてしまうことがあります。日干が弱い人ほど、この消耗を感じやすくなります。
生まれる側から見ると
相手は、自分を支え、育ててくれる人です。安心できる、学べる、守られているという感覚が生まれやすい関係です。ただ、印が多すぎると受け身になったり、相手の気づかいを干渉と感じたりすることもあります。偏印として見る相手(同じ陰陽)は良き理解者である一方、独特の考え方で自分のペースを変えてくることもあります。
この組で気をつけたいのは、流れが一方向に固まりやすいことです。生む側が与えるだけにならないよう、受け取る側が、暮らしの面を引き受ける、相手の話をじっくり聞くといった別の形で返すと、関係が長持ちしやすくなります。
5 剋す・剋される二人——財と官
木は土を、土は水を、水は火を、火は金を、金は木を剋します。剋す側は相手を偏財か正財として、剋される側は相手を偏官か正官として見ます。
剋す側(相手が財)から見ると
相手は、手で触れられる現実のような存在です。一緒に計画を立て、暮らしを形にし、相手のために動きたくなります。財は「扱うもの」の星なので、主導権を握りやすい立場にもなります。ただし財を扱うには日干の力が要ります。身弱の人にとって、強い財の相手は気づかないうちに負担になっていることがあります。
剋される側(相手が官)から見ると
相手は、自分に枠組みや基準を与えてくれる人です。だらけがちなところを引き締めてくれる、目標をはっきりさせてくれる。正官として見る相手(陰陽が違う)は信頼できる規律として、偏官として見る相手(同じ陰陽)は刺激的で圧の強い存在として感じられやすくなります。
摩擦が出やすいのは、「管理する側・される側」の構図が固まったときです。剋す側は相手を思い通りにしようとしすぎず、剋される側は窮屈さを言葉にして伝えることが、構図をほぐす助けになります。身強の人は官の相手をほどよい緊張として、身弱の人は重さとして受け取りやすいので、ここでも日干の強弱が読みを分けます。
6 干合——引き合う五つの組
十干のうち、甲と己、乙と庚、丙と辛、丁と壬、戊と癸の五組を干合(かんごう。天干合とも)といいます。二人の日干がこの組にあたると、相性を見るうえで特に注目されます。
引き合うとされる理由は、この並びを見るとわかります。五組とも陽干と陰干の組で、陽干が陰干を剋す関係です。陽干の側から見れば相手は正財、陰干の側から見れば相手は正官。陰陽が補い合い、互いを「手に入れたいもの」と「従いたい基準」として見る組なので、強い引力があると読まれてきました。古典では、陽干が自分の剋す陰干を妻として娶る、とたとえられています。
注意したいのは、同じ正財・正官の組でも、乙と戊、丁と庚、己と壬、辛と甲、癸と丙のように、陰干が陽干を剋す組は干合にならないことです。早見表で正財・正官が出ていても、干合とは限りません。
命式の中の干合では、五行が変わる(化する)かどうかを月支などの条件で判断します。けれども二人の日干どうしの相性では、本サイトは化の条件を問わず、引き合う組として読みます。そして、引き合うことと、暮らしのすべてがかみ合うことは別の話です。干合の二人でも日支がぶつかることはありますし、片方がもう片方に縛られるように感じる場面もあります。干合の仕組みそのものは天干合の解説で詳しく扱っています。
7 十干の相性早見表(10×10)
行が自分の日干、列が相手の日干です。マスの中は「自分から見た相手の通変星」で、色のついたマスが干合の組です。
| 自分\相手 | 甲 | 乙 | 丙 | 丁 | 戊 | 己 | 庚 | 辛 | 壬 | 癸 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 甲 | 比肩 | 劫財 | 食神 | 傷官 | 偏財 | 正財(合) | 偏官 | 正官 | 偏印 | 印綬 |
| 乙 | 劫財 | 比肩 | 傷官 | 食神 | 正財 | 偏財 | 正官(合) | 偏官 | 印綬 | 偏印 |
| 丙 | 偏印 | 印綬 | 比肩 | 劫財 | 食神 | 傷官 | 偏財 | 正財(合) | 偏官 | 正官 |
| 丁 | 印綬 | 偏印 | 劫財 | 比肩 | 傷官 | 食神 | 正財 | 偏財 | 正官(合) | 偏官 |
| 戊 | 偏官 | 正官 | 偏印 | 印綬 | 比肩 | 劫財 | 食神 | 傷官 | 偏財 | 正財(合) |
| 己 | 正官(合) | 偏官 | 印綬 | 偏印 | 劫財 | 比肩 | 傷官 | 食神 | 正財 | 偏財 |
| 庚 | 偏財 | 正財(合) | 偏官 | 正官 | 偏印 | 印綬 | 比肩 | 劫財 | 食神 | 傷官 |
| 辛 | 正財 | 偏財 | 正官(合) | 偏官 | 印綬 | 偏印 | 劫財 | 比肩 | 傷官 | 食神 |
| 壬 | 食神 | 傷官 | 偏財 | 正財(合) | 偏官 | 正官 | 偏印 | 印綬 | 比肩 | 劫財 |
| 癸 | 傷官 | 食神 | 正財 | 偏財 | 正官(合) | 偏官 | 印綬 | 偏印 | 劫財 | 比肩 |
両側から読む
相性は一方向だけで読むと偏ります。たとえば甲と庚なら、甲の行・庚の列は偏官、庚の行・甲の列は偏財です。甲にとって庚は、自分を鍛え、ときに圧をかけてくる相手。庚にとって甲は、自分が動かし、形にしていける相手です。同じ二人でも、どちらの席から見るかで関係の意味が変わります。
- 行と列を入れ替えて、二つの星をいつもセットで見る(比肩と比肩、食神と偏印、正財と正官など)。
- 偏の組は直接的で強く、正の組はやわらかい。干合は正財と正官の組の一部です。
- 最後に、それぞれの日干が身強か身弱かを考える。財や官は身強の人に扱いやすく、印や比肩・劫財は身弱の人の支えになりやすい。
8 例で読む——同じ戊の二人、戊と癸の二人
本サイトの計算による命式から、二つの組み合わせを取り上げます。組み合わせ自体は説明のためのものです。
| 例 | 生まれ | 命式(年・月・日・時) | 日干・日支 | 強弱 |
|---|---|---|---|---|
| 例A(女性) | 1988年7月12日9時30分、東京 | 戊辰・己未・戊辰・丁巳 | 戊・辰 | 身強 |
| 例B(男性) | 1975年3月3日6時15分、大阪 | 乙卯・戊寅・戊申・乙卯 | 戊・申 | 身弱 |
| 例D(男性) | 1983年2月4日8時、福岡 | 壬戌・癸丑・癸亥・丙辰 | 癸・亥 | 中和に近い |
例Aと例B:同じ戊の二人(比肩同士)
二人とも日干は戊で、互いを比肩として見ます。物事をどっしり受け止める姿勢や、急がない判断の仕方が似ている組です。ただし強弱は正反対で、例Aは土がきわめて多い身強、例Bは木に押されて土が弱い身弱です。例Bにとって例Aの厚い土は支えになりやすく、例Aにとっては、自分と同じものがさらに増える相手でもあります。同じ日干でも、受け止め方は左右対称になりません。
日支は例Aが辰、例Bが申です。申・子・辰は水の三合ですが、二人の日支にあるのは申と辰の二つで、中心の子が欠けています。中心を欠く二支は三合のつながりとしては弱い形で、拱合(きょうごう)と呼ばれることもあります。子が大運や流年で巡ってきたときに結びつきが意識されやすい、という程度に読むのが穏当です。
例Aと例D:戊と癸の干合
例Aの日干は戊、例Dは癸で、戊と癸の干合の組です。例Aから見て例Dは正財、例Dから見て例Aは正官。互いに引き合う組み合わせとして読まれます。
一方、日支は例Aが辰、例Dが亥で、辰と亥のあいだには六合・沖・刑・害・破のいずれの関係もありません。日支の層では、目立った結びつきも衝突もないということです。ただし例Dの年支は戌で、例Aの日支の辰とは辰戌の沖になります。日干の引力、日支の静けさ、別の柱どうしの緊張と、層ごとに違う顔が見えてくるのが相性の読み方です。
二人の命式を重ねて読む
日干の関係は相性の入口にすぎません。お二人の生年月日時を入力すると、日支や五行のバランスなど複数の層を重ねた鑑定を受けられます。「二人の相性鑑定」(US$14.90)と「二人の相性フル鑑定」(US$29.90)からお選びいただけます。
二人の相性を調べる →9 次の層——日支(配偶者の位置)と用神
日干の次に見るのが日支です。日柱の地支は配偶者の位置とされ、夫妻宮(ふさいきゅう)とも呼ばれます。二人の日支どうしの関係は、暮らしの中での近さやぶつかり方を映します。
| 関係 | 組み合わせ | 読み方の目安 |
|---|---|---|
| 六合 | 子丑・寅亥・卯戌・辰酉・巳申・午未 | 寄り添う結びつき。生活のリズムが合いやすい |
| 沖 | 子午・丑未・寅申・卯酉・辰戌・巳亥 | 刺激と衝突が同居する。避けるより、向き合い方の工夫が要る |
三合・刑・害・破も見ますが、まずはこの二つを押さえておけば十分です。詳しくは六合の記事と六沖の記事をご覧ください。
もう一つの層が用神(ようじん)です。用神は、その命式がバランスをとるために必要とする五行のことです。相手の日干の五行が自分の用神にあたると、一緒にいるだけで楽になる、力が出る、という感覚につながりやすいとされます。用神は命式全体から慎重に判断するもので、日干だけでは決められません。考え方は用神の解説にまとめています。
10 配偶者の星——男性の財、女性の官
伝統的な四柱推命では、男性の命式では財(とくに正財)が妻を、女性の命式では官(とくに正官)が夫を表すとされます。相手の日干が自分にとってこの星にあたると、配偶者らしい相手と読む見方があります。
先ほどの例Aと例Dでは、例A(女性・戊)から見た例Dの癸は正財、例D(男性・癸)から見た例Aの戊は正官で、伝統の配偶者の星とは逆向きです。それでも二人は干合の組です。配偶者の星と干合は別の物差しで、どちらか一方だけで相性を決めることはできません。
また、この割り当ては男女の役割がはっきり分かれていた時代の枠組みでもあります。本サイトでは伝統の読み方を紹介しつつ、性別だけで機械的に当てはめずに、二人の関係の中でどちらが財(形にする役)を、どちらが官(枠をつくる役)を引き受けやすいかという見方もあわせて使うことをおすすめしています。
11 「相性のいい組み合わせ」をどう考えるか
相性のいい組み合わせを探すと、日干の組を点数や順位で並べた表に出会うことがあります。けれども四柱推命の考え方からすると、日干の組だけで優劣をつけるのは無理があります。比肩同士にも、生む・生まれる組にも、財と官の組にも、それぞれの強みと摩擦があるからです。
手がかりとして挙げられるのは、日干が干合の組であること、日支が六合であること、相手の五行が自分の用神にあたること、の三つです。ただし、これも一つそろえば十分という話ではありません。どこが自然にかみ合い、どこに気づかいが要るのか。その地図を二人で共有できることが、日干から相性を読むいちばんの意味です。
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