実践の大原則は、一文に要約できます——「用神が定まらないうちは、命式から富貴を論じることはできない」。つまり、用神(ようじん)を理解しないまま行う八字鑑定は、どれほど言葉を尽くしても当て推量にすぎず、美しい言葉が並ぶだけで正確さを欠いたものになります。
「神(しん)」という語は、ここでは宗教的な意味ではありません。八字の古典用語、子平派(しへいは)の体系において、「神」とは五行の働きそのもの——命式の中でのその活発な現れを指します。用神とは、それを用いることで命式が救われ、均衡がもたらされ、日主(にっしゅ)の可能性が開かれる、その五行のことです。いわば、天がその命式のために処方した「薬」です。
この記事では、用神とは何か、どう判定するのか(日主の強弱と月令〈げつれい〉を通じて)、どのような特殊な構造があるのか(従格〈じゅうかく、「従う構造」〉、化気格〈かきかく、「気が転じる構造」〉)、十干の日主それぞれにどの五行が用神として割り当てられるのか、用神を実生活でどう活かすのか(色、方位、職業)、そして喜神・忌神との違いは何かを、詳しく見ていきます。
1 用神とは何か——子平派の核心
子平派(しへいは)は、宋代(10〜11世紀)に徐子平(じょしへい)という師によって確立されたとされます。伝承によれば、それ以前は主に年柱から、あるいは年・月・日の三柱から運命を占っており、時柱も、明確な用神の概念もありませんでした。徐子平は、四柱を用いる方法を確立し、分析の中心を日主(にっしゅ)——日柱の天干——に移した人物とされています。この転換から、子平派の核心的な発想が生まれました。命式のすべては、それが日主とその均衡にどう影響するかによって評価される、という考え方です。用神についての本格的な理論は、のちの『子平真詮』や、注釈のついた『滴天髄』といった典籍によって深められました。
この発想から、用神という概念が生まれました。命式を小さな王国にたとえるなら、日主は「王」であり、用神は宰相にあたります。宰相は宮廷の均衡を取り、派閥を抑え、資源を差配します。宰相がいなければ、王は暴君になるか、あるいは傀儡になるかのどちらかです。
技術的に言えば、用神とは五行のうち次の条件を満たすものです。
- 命式を均衡へと戻す(日主が強すぎれば弱め、弱すぎれば強める)。
- 命式の中に(あるいは大運・流年を通じて)実際に存在する、理論上だけの存在ではない。
- 命式の他の五行によって、遮られたり壊されたりしない。
- 命式という「原材料」を、キャリア・お金・人間関係・名声といった結果へと変えていく。
用神とは「好きな五行」のことではありません。「気に入っているもの」でもありません。これは処方箋です。どんな薬もそうであるように、用神は患者一人ひとりに厳密に合わせて選ばれます。ある人を治す薬が、別の人には毒になることもあります。ある甲(きのえ)の人にとって用神は火であり、別の甲にとっては水、また別の甲にとっては金です。「甲は火を好む」という普遍的なルールは存在しません。あるのはただ、「その命式にとって正しい用神」というルールだけです。
2 旺衰論——強ければ弱め、弱ければ強める
子平派の最大の原則は旺衰論(おうすいろん、「強弱の理論」)です。要約すればこうなります。「日主が強ければ弱める必要があり、弱ければ強める必要がある」。この原則から外れる例外が、特殊な構造(第5節)と、極端な気候条件——調候(ちょうこう、第9節)です。
ロジックは天秤のようにシンプルです。片方の皿に日主とその「味方」——資源としての印(いん、「母」)、仲間としての比劫(ひごう、「兄弟」)——が乗り、もう片方の皿には「相手方」——財(ざい、「妻」)、官殺(かんさつ、「上司」)、食傷(しょくしょう、「子」)——が乗っていると想像してください。用神の役割は、この天秤を釣り合わせることです。
この例では、木と水が「振り切れて」いて、火と金が不足しています。ここで日主が甲(木)だとすると、日主は過剰に強い状態です。この場合の用神は、余った木を「消費」あるいは抑え込むものです。候補は、木を燃料として「消費」させる火、木を「断ち切って」制御する金、木に制御されることで木のエネルギーを働きに変える土です。ただし命式の中に金が少ないため、候補としては「弱い」といえます。火も同様に少なめです。もっとも良い用神は、すでに命式に存在していて、大運の周期によってさらに強められうるものです。ここでは火と土の組み合わせがそれにあたります。火は木の力を「現金化」し命式を温め、土は——命式の中で火や金より多く存在するため——木を養う水の過剰を抑えてくれます。
もし日主が庚(かのえ、金)で、命式そのものは同じだったなら、状況は逆転します。命式の中に金は少なく、木は多く(「妻」にあたる)、水も多い(「出口」にあたる)。この場合、庚は弱い日主です。庚にとっての用神は土(母として金を養う)か、あるいは別の金(兄弟として強める)です。「金を溶かす」火は、薬ではなく敵になります。
3 日主の強弱の判定——三つの基準
これがもっとも重要な段階です。ここを間違えれば、すべての分析が的外れになります。日主の強弱は、古典で「通根・得令・得勢」(「根、司令、勢力」)と呼ばれる三つの基本基準で評価されます。
基準1. 得令(とくれい)——司令を得ているか
もっとも重要な要素です。「司令を得る」(得令)とは、日主の五行を強める季節に生まれることを意味します。それぞれの五行には、自らが最盛期を迎える季節があります。
| 日主の五行 | 最盛期の季節 | 該当する月(地支) | 状態 |
|---|---|---|---|
| 木 | 春 | 寅・卯・辰(とら・うさぎ・たつ) | 最大限に強い |
| 火 | 夏 | 巳・午・未(へび・うま・ひつじ) | 最大限に強い |
| 土 | 各季節の終わり | 辰・戌・丑・未 | 「土用」の月で強い |
| 金 | 秋 | 申・酉・戌(さる・とり・いぬ) | 最大限に強い |
| 水 | 冬 | 亥・子・丑(いのしし・ね・うし) | 最大限に強い |
自分の季節に生まれた日主は、それだけで季節の支え(得令)を得ます——これが強さを決めるもっとも重い要因です。もし「母」(印)にあたる季節に生まれていれば、これも強いといえます。母が養ってくれるからです。「敵」(官殺)にあたる季節に生まれていれば、弱いといえます。敵がこちらを制するからです。「妻」(財)や「子」(食傷)にあたる季節では、力が漏れ出していく方向になり、これもまた弱める要因です。
基準2. 通根(つうこん)——根を持っているか
「根を持つ」(通根)とは、命式の地支の中に(もっとも重要なのは月支——これは司令も与えます。次に日主が「座る」日支、そして時支、年支の順)、日主と同じ五行が隠れていることを意味します。それぞれの地支には1〜3個の「隠れた天干」(蔵干)があり、その中に日主と同じ五行があれば、それが根になります。
例を挙げましょう。日主が甲(きのえ、木)だとします。その根は木を含む地支にあります。寅(とら、主根:甲・丙・戊)、卯(うさぎ、主根:乙のみ)、辰(たつ、余気の根:戊・乙・癸)、亥(いのしし、中気の根:壬・甲)、未(ひつじ、木の墓としての弱い根:己・丁・乙)です。
基準3. 得勢(とくせい)——勢力を得ているか
「勢力」(得勢)は、命式の中の味方の数にかかわります。数えるのは、天干と、地支に現れる五行すべてです。
- 日主の味方=日主自身と同じ五行(兄弟にあたる比劫)+母にあたる五行(印、資源)。この二つが日主を強めます。
- 日主の相手方=妻にあたる五行(財、富)+上司にあたる五行(官殺、権力)+子にあたる五行(食傷、出口)。この三つが日主を弱めます。
単純に数えて、8文字のうち5〜6個が味方なら日主は強く、2〜3個なら弱く、ちょうど半々なら均衡していると判断します。
上の例では、日主は甲、卯(うさぎ、春)の月に生まれており、司令を得ています。根は寅(日)、寅(時)、卯(月)、亥(年)にあります。味方(乙・癸・亥)も多くあります。この命式は極端に強い木です。用神は火(時柱の丙)——余った木のエネルギーを「発散」させます(木火通明〈もっかつうめい〉、「木と火が明るさを生む」)。木がこれほど優勢な場合、金はそれを鎮めるどころか、対立を誘発してしまいます。古典では、極端な強さは断ち切るよりも発散させることが好まれます。ですから、この命式では金には頼りません。
総合評価
| 日主の強さ | 命式にあるもの | 用神 |
|---|---|---|
| 非常に強い | 司令+根2〜3個+味方5個以上 | 食傷/官殺/財(弱める。極端な強さでは、まず食傷) |
| 強い | 司令+根、または味方が多い | 財または官殺(ほどよく弱める) |
| 均衡 | 中間 | 命式の「痛点」による |
| 弱い | 司令なし、根が少なく、相手方が多い | 印(母)または比劫(兄弟) |
| 非常に弱い | 敵にまるごと包囲されている | 従格——強いほうに従う(第5節) |
4 月令(げつれい)を通じて用神を見る
子平派の古典的な体系には、用神を判定するもう一つの、より繊細な方法があります。月令(げつれい、「月の司令」)を通じた方法です。月柱の地支は命式の中でもっとも強い一点であり、その蔵干はしばしば、日主にとって「強化のために不要」であれば、用神の最有力候補になります。
手順は次のとおりです。
- 月支から主たる蔵干(本気)を取り出す。
- それが自分の日主にとって十神のどれにあたるかを見る(印か、官殺か、財か)。
- その神が命式にとって「有益」であれば、それが用神になる。
- それが日主自身の五行や印(つまり強化する側)で、しかも日主がすでに強い場合は、命式の中の別の源から用神を探す。
たとえば、日主が壬(みずのえ、陽の水)で、酉(とり、秋)の月に生まれたとします。酉の主たる天干は辛(かのと、陰の金)です。壬にとって金は印(母)です。もし壬が弱ければ、用神は=金、まさに月令から直接得られます。壬が強ければ、用神は火や土のほうへ移ります。
月令と格局(かっきょく)の種類
用神とあわせて、月令は命式の分類——格局(かっきょく)——も決めます。これは運命の「クラス」です。八つの基本的な格局があります。正官格(せいかんかく)、七殺格(しちさつかく)、正財格・偏財格(せいざいかく・へんざいかく)、正印格・偏印格(せいいんかく・へんいんかく)、食神格(しょくじんかく)、傷官格(しょうかんかく)。これらに加えて、月支に日主自身の五行が座る建禄(けんろく)と月刃(げつじん)の格、そして第5節で扱う特殊な格があります。それぞれの分類には、固有の「正しい」用神があります。詳細はそれだけで大きなテーマになりますが、覚えておくべきなのは、格局と用神は常にセットで考えるということです。
5 特殊な構造——従格と化気格
ここまでは、均衡させることができる普通の命式について話してきました。しかし稀な命式も存在します。均衡させるものが何もない命式です。一つの五行が他のすべてを圧倒的に支配していて、それに逆らうことが無意味になっている状態です。ここで働くのが「勝てないなら加われ」という原則です。こうした命式は従格(じゅうかく、「五行に従う構造」)と呼ばれます。
従格——「従う」構造の主な種類
そしてもう一つ、6番目の型があります。従勢格(じゅうせいかく)、「流れに従う構造」です。日主には根がなく、財・官殺・食傷がほぼ均等に命式を占めていて、命式全体がその勢力に従う状態です。
「弱い」従う構造(従財・従殺・従児・従勢)の条件は、日主に根がまったくないこと、そして反対勢力が絶対的に優勢であることです。日主にわずかでも根があれば(たとえ余気であっても)従格は成立せず、命式は「普通の弱い命式」になります。これは初心者がもっとも陥りやすい落とし穴です。根を確認せずに「従格だ」と決めつけてしまうのです。従強格・従旺格については条件が逆で、命式が日主とその味方で満たされ、抑え込む官殺がほとんど存在しないことが条件です。
化気格(かきかく)——「気が転じる」構造
さらに稀な型です。日主が「天干五合(てんかんごごう)」によって別の天干と合体し、そのうえで季節がその合体の結果を後押しするとき、日主は新しい五行に転じます。
| 合体 | 結果 | 転化の条件 |
|---|---|---|
| 甲 + 己 | 土 | 土の季節(月支=辰戌丑未) |
| 乙 + 庚 | 金 | 金の季節(申酉戌) |
| 丙 + 辛 | 水 | 水の季節(亥子丑) |
| 丁 + 壬 | 木 | 木の季節(寅卯辰) |
| 戊 + 癸 | 火 | 火の季節(巳午未) |
もし甲の日主が辰の月に己(つちのと)と合し、その合体を「壊すもの」が命式になければ、日主は土に転じます。この場合、用神は木のためではなく、土のために探すことになります。これが化気格(かきかく)、「気が転化する構造」です。
6 十干の日主別にみる用神
以下は、生まれた季節に応じた、それぞれの日主に典型的な用神の目安です。これはあくまで早見表であり、絶対的な規則ではありません。最終的な用神は、命式全体によって決まります。
甲(きのえ)——陽の木
空に向かって伸びる大樹。火(花開かせる)と水(養う)を好みます。乾いた土と金の過剰を嫌います。
- 冬(亥・子・丑):水によって強いが、冷えている。用神=火(暖かさ)。
- 春(寅・卯・辰):最大限に強い。用神=金(形を与える)または火(発散させる)。
- 夏(巳・午・未):乾ききっている。用神=水(水やり)。
- 秋(申・酉・戌):金に断ち切られている。用神=火(斧を溶かす)または水(金の気をそらす)。
乙(きのと)——陰の木
花、蔓、草。火と水を好みますが、ほどほどの量で。強すぎる金を嫌います(繊細な五行だからです)。
- 冬:火(暖かい日差し)。
- 春:丙の火(成長のための太陽)。
- 夏:癸の水(露)。
- 秋:丙の火(暖め、敵対的な金を溶かす)。
丙(ひのえ)——陽の火
太陽。木(燃料)とほどよい水(対比、輝き)を好みます。圧倒するような水を嫌います。
- 冬:弱く、凍えている。用神=木(燃料)と火(兄弟)。
- 春:力を増していく。用神=壬の水(鏡)。
- 夏:最大限に強い。用神=壬の水(冷やす)または金(水の源)。
- 秋:支えとして木+火。
丁(ひのと)——陰の火
ろうそく、灯り、たき火。甲の木(大きな薪)を好み、強い風や水を嫌います。
- 冬:木が必要、できれば甲のような大きなもの。
- 春:甲(燃料)と庚の金(甲を薪に割る)。
- 夏:壬または癸(抑制)。
- 秋:甲の木(燃料)。
戊(つちのえ)——陽の土
山、堤。火(土を温める)と水(潤す)を好みます。過剰な木を嫌います。
- 冬:丙の火(山を照らす太陽)。
- 春:丙の火、続いて癸の水。
- 夏:癸の水(潤し)と甲の木(根が山を強める)。
- 秋:丙の火(暖かさ)と癸の水。
己(つちのと)——陰の土
畑、田んぼ。丙の火とほどよい水を好みます。太陽と雨のもとで花開きます。
- 冬:丙の火(土を温める)。
- 春:丙の火+甲の木(複合)。
- 夏:癸の水(水やり)。
- 秋:丙+癸(畑のための暖かさと湿り気)。戌の月には甲を加えます。
庚(かのえ)——陽の金
斧、剣、荒い鉱石。火(溶かし、形を与える)と水(鍛え、清める)を好みます。
- 冬:丁の火(暖かさ)。
- 春:庚の金(兄弟)と土(母)。
- 夏:壬の水(冷却)。
- 秋:最大限に強い。用神=壬の水(剣を洗う)または丁の火(形を与える)。
辛(かのと)——陰の金
貴金属、宝飾品。壬の水(磨く)を好みます。荒々しい丁の火を嫌います。
- 冬:丙の火(宝飾に当たる光)。
- 春:金(兄弟)と土(母)。
- 夏:壬の水(洗う)。
- 秋:壬の水(磨く)。
壬(みずのえ)——陽の水
大海、大河。木(エネルギーの出口)と土(岸辺)を好みます。金だらけになること(資源による氾濫)を嫌います。
- 冬:最大限に強い。用神=戊の土(堤)と丙の火(暖かい太陽)。
- 春:庚の金(母)。
- 夏:干上がっている。用神=金(水源)。
- 秋:強い。用神=戊の土(岸辺)または甲の木(出口)。
癸(みずのと)——陰の水
雨、露、朝もや。柔らかな木(植物を養う)と金(水源)を好みます。
- 冬:丙の火(暖める)。
- 春:庚・辛の金(母)。
- 夏:金(雨の源)。
- 秋:甲の木(出口)。
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無料で命式を算出する →7 用神と大運(だいうん)——運の周期
大きな運の周期である大運(だいうん)は、人が一生の中を通り抜けていく、10年ごとの柱です。それぞれの柱には固有の五行(天干+地支)があります。ここで用神は、その周期の質を測るものさしになります。
シンプルな法則
- 周期が用神を運んでくる=好ましい周期です。命式を癒やす五行が活性化します。収入、評価、成長のチャンスが増えます。
- 周期が用神の敵(忌神)を運んでくる=困難な周期です。均衡を崩す五行が強まります。損失、対立、過負荷のリスクが高まります。
- 周期が中立の五行を運んでくる=穏やかな周期です。通常、大きな変化は起こりません。
例として、寅(とら)の月(春、強い木)に生まれ、命式に水も少なくない甲の木の命式を考えます。用神=火だとしましょう。すると(以下の柱は例であり、実際の周期は人によって異なります)——
- 丙午(ひのえ・うま、火+火)の周期——きわめて良好:火が木を消費し、才能を開花させます。評価や昇進のチャンスが増えます。
- 庚申(かのえ・さる、金+金)の周期——どちらとも言えず、波乱含み:金は木を「加工」することもできますが、水が多い命式では、むしろその水を養ってしまいます(金生水)。さらに申が月支の寅と沖(寅申の沖)を起こすため、変化や揺さぶりの時期になります。
- 癸亥(みずのと・い、水+水)の周期——危険:ただでさえ過剰な木を、さらに水が養ってしまいます。偏り・過負荷、「出口のない」プロジェクトが増えます。
- 乙卯(きのと・う、木+木)の周期——最悪:すでに過剰な五行を、さらに全面的に強めてしまいます。対立、頑固さ、金銭的な損失のリスク(甲にとって乙は劫財〈ごうざい、「財を奪う者」〉です)。
流年(りゅうねん)
暦の上のそれぞれの年にも、天干+地支があります。用神を運んでくる年は、たいてい好ましい年です。用神と対立する年は、たいてい難しい年です。これは大運の中に入れ子になった「短い」周期です。
8 実践——色、方位、職業、食
用神は抽象的な概念ではありません。日々の暮らしの中で応用されるものです。伝統的な考え方では、「有益な」五行で自分の身を囲むことで、その影響を強め、不均衡を「癒やす」とされています。これが応用八字です。
用神の五行に対応する色
| 用神 | 基本の色 | 補助 |
|---|---|---|
| 木 | 緑、ターコイズ、ライムグリーン | 青(木を養う) |
| 火 | 赤、ボルドー、オレンジ、紫 | 緑(燃料) |
| 土 | 黄、オーカー、ベージュ、茶 | 赤(温める) |
| 金 | 白、銀、金、グレー | 黄(金を生む) |
| 水 | 青、黒、紺 | 白(水源) |
方位
- 用神=木——東、南東。
- 用神=火——南。
- 用神=土——中央、北東、南西。
- 用神=金——西、北西。
- 用神=水——北。
これらは仕事場、窓の向き、旅行や引っ越しの方角に使われます。用神の方位に頭を向けて眠るというのは民間で人気の助言ですが、子平派の正統な理論には含まれません。
職業と分野
食と暮らし
伝統的な習わしとして、用神に合わせて五味の象徴から食を選ぶという考え方があります(これは医学的な助言ではありません)。用神が火なら赤い食材(トマト、赤いパプリカ)と苦味。木なら緑のものと酸味。水なら塩味、海産物、色の濃いベリー類。土なら甘味、根菜、豆類。金なら白いもの、辛いもの、生姜。
9 判定が難しいケース
すべての命式が「わかりやすい」わけではありません。古典の典籍には、境界的なケースだけを扱う章が丸ごと存在します。もっともよくあるものを見ていきましょう。
ケース1:「半分強く、半分弱い」
日主がほどほどの司令と1〜2個の根を持ちながら、同じくらい強い相手方も存在する場合です。天秤はほぼ釣り合っています。この状況では、用神は「もっとも弱い環」という原則で探します。命式の中で不足していて、かつ調和のために必要な五行はどれか、という視点です。
たとえば、甲の日主が春に生まれ、司令はあるものの火と水がまったくない場合。ここでの用神は火です。火がなければ、木は「花開かない」からです。これは日主が強い場合でも起こります。「発散」の原則は働きますが、「質のない発散」は結果を生まないのです。
ケース2:「凍った」あるいは「干からびた」命式
真冬や真夏に生まれ、「解毒剤」を持たない命式です。冬の壬の日主で火がなければ、凍った水です。夏の丙の日主で水がなければ、干からびた火です。こうした場合、用神は「和らげる」五行になります。通常のロジックでは日主の敵にあたる五行であってもです。夏の丙は弱いのか、と問われれば、それは関係ありません。生きていくために水が必要なことに変わりはないのです。
ケース3:「敵対される用神」
命式の中に用神は存在するものの、すぐそばにそれを壊す「敵」が立っている場合です。例:壬の日主にとって用神は土(堤)ですが、そのそばに、土を制する甲(木)が立っている。用神は「傷ついて」います。この場合、用神を守る五行、いわば「治療者」を探します。ここでは金(甲を断ち切り、土を解放する)がそれにあたります。
ケース4:「隠れた用神」
天干の中には用神が見当たらないが、地支の中に第三の蔵干として隠れている場合です。これは弱い用神です。働いてはいますが、その五行が「表に出る」大運の周期になって初めて、強く活性化します。
古典家たちの論争
『滴天髄』とその注釈である任鉄樵(じんてっしょう)の議論では、旺衰(力の均衡)と格局(月令から見た構造)のどちらがより重要かをめぐって、長い論争が繰り広げられています。現代の子平派は両者を統合し、まず格局を見て、次に強弱を評価し、その交点で用神を選ぶ、という立場を取ります。
10 用語の整理——用神・喜神・忌神
子平派の実践では、似た三つの用語によく出会います。混同されがちなので、ここで整理しておきましょう。
| 用語 | 意味 | 働き |
|---|---|---|
| 用神 | 有益な神 | 命式にとっての主たる「薬」。均衡をもたらす五行。 |
| 喜神 | 喜ばしい神 | 用神の助け手。用神を支え、養う五行。 |
| 忌神 | 忌むべき神 | 命式にとっての主たる「毒」。用神を壊す、あるいは不均衡を強める五行。 |
| 仇神 | 敵対する神 | 忌神の味方。毒を養う五行。 |
| 閑神 | 自由な神 | 中立の五行。害もなければ益もない。 |
例で見る整理
命式:甲の日主、強い木、春生まれ。木と水が多く、火が弱い。
- 用神=火——過剰な木を消費し、花開かせます。
- 喜神=土——この命式での火の助け手です。火の温かさを受け止め(火生土)、最大の「毒」である水を抑えます。木も形式上は火を養いますが、日主自身の五行で、すでに過剰なため、喜神には数えません。
- 忌神=水——ただでさえ過剰な木を養い、火を消してしまいます。
- 仇神=金——水(忌神)を生みます。別の役割では過剰な木を断ち切ることもできる金ですが、すでに強い水と組み合わさると、「敵を強化」してしまいます。
- 閑神——この命式には中立の五行がほとんどありません。土は喜神として働き、過剰な木そのものは好ましくない側に入ります。
用神は「集中」であって「排除」ではない
よくある誤解に、「用神が火なら、人生から水を取り除くべきだ」というものがあります。違います。用神とは「他のすべてを避けなさい」という意味ではなく、用神に集中し、忌神を優位にさせないという意味です。五行はすべて人に必要なものであり、そのどれが欠けても機能不全が生じます。用神はあくまで強調点——天秤の必要な側に乗せる、追加のおもりにすぎません。
∞ まとめ——人生の羅針盤としての用神
用神という概念は、「神秘めいたおまじない」ではありません。これは、千年にわたる観察を通じて師たちが練り上げてきた人生の戦略です。次のような、もっとも実践的な問いに答えてくれます。
- いつ運が向き、いつ厳しくなるのか。——用神と忌神の周期を見ます。
- どんな職業で力を発揮できるのか。——用神の五行に合う分野を選びます。
- 誰と関係を築くべきか。——一つの目安として、日主があなたの用神と重なるパートナーが挙げられます(完全な相性はさらに複雑です)。
- どこに住み、どこへ引っ越すべきか。——用神の方位です。
- どう装い、何を食べ、家をどう整えるか。——用神の色と素材です。
用神を正確に判定することは、師の仕事であり、ネット上の簡易アルゴリズムの仕事ではありません。簡易なサイトは、境界的な命式(半強・半弱、特殊な構造、凍った・干からびたケース)でしばしば誤ります。正しい用神は、層を追って検証して初めて得られます。まず旺衰、次に月令、次に調候(気候)、次に格局(構造)、そして従格・化気格のような特殊な配置です。当サイトのアルゴリズムは日主の強弱と五行のバランスを算出し、用神は、判定方法を別途検証したうえで鑑定に掲載します。
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たとえて言うなら、生まれ持ったものが命(めい)、年月とともに巡ってくるものが運(うん)、そして用神は舵です。その舵を、自分の手で握ってください。