猿どうしの組み合わせは、星占いが一行で片づけてしまう二人です。「半言で通じ合うけれど、競い合う」。八字では、この地支の一致を伏吟(ふくぎん)、「隠れた響き」と呼びます。もう少しゆるやかに言えば「こだま」です。地支が繰り返され、そこに含まれるものがすべて強まります。良いものも、居心地の悪いものも。
最初に、これが何ではないのかを押さえておきましょう。申には自刑(じけい)がありません。自刑は辰・午・酉・亥のものです。ですから、猿年に生まれたというだけで、二人がお互いを「罰する」ことはありません。この組には沖もありません。猿が沖になるのは虎(寅)であって、自分自身ではないからです。では何が残るのでしょうか。鏡です。そして鏡は、誰もが知るとおり、自分の映った姿を見たくない人には容赦がありません。
1 「同じ地支」とは実際に何を意味するか
年支が一致する二人は、八字が年柱に結びつける領域、つまり人生の最初の十六年ほどの家庭環境と雰囲気を共有しています。たいていは、家庭の似た習慣、物事を「どうやるべきか」についての近い見方、似たユーモアの感覚として現れます。猿どうしは、同じ言葉を使ったり、混乱に同じ反応をしたりして、お互いを驚かせることがよくあります。
けれども、背景が同じだからといって、性格まで同じになるとは限りません。性格を決めるのは日主(にっしゅ)、「日の主」であり、猿どうしでも十干のどれにもなりえます。日主が甲(大樹)の猿と、日主が癸(雨や露)の猿は、同じ干支のもとに生まれても、まるで別の人です。つまり、同じ地支は会話の半分にすぎません。その違いはあなたは本当は何の干支なのかに詳しく書かれています。
2 申の内側にあるもの
猿は三つの蔵干(ぞうかん)を抱えています。そのバランスが、この干支が機転が利いて落ち着かないと言われる理由を説明してくれます。
| 天干 | 五行 | 地支での位置 | イメージ |
|---|---|---|---|
| 庚 | 陽の金 | 本気 | 斧、レール、鋼の素材。率直さと力 |
| 壬 | 陽の水 | 中気 | 大きな川。機動力、知性、好奇心 |
| 戊 | 陽の土 | 余気 | 山、堤。結果を持ちこたえる力 |
猿は「水を生んだ金」です。申は秋の始まりにあたり、金が力を集め、水が生まれたばかりの時期です(古典では、申は水の長生(ちょうせい)、庚の臨官(りんかん)にあたります)。ここから、機動力と鋭さが生まれます。こうした人は本質をすばやくつかみ、同じことを繰り返すのを嫌います。この地支についてさらに知りたい方は申年生まれについての記事をご覧ください。
猿どうしは、三つの「階」をすべて共有しています。それは相互理解を生みますが、同じ居場所をめぐる競争も生みます。どちらも「解決策を思いつく人」「抜け道を見つける人」でありたいのです。アイデアを出す人が二人いて、編集者がいない家庭や事業では、混沌が勝ちます。
3 2027年に対する中立
2027年は丁未、羊の年です。猿と羊のあいだには、古典に挙げられた直接の関係はありません。合も、沖も、刑も、害も、破もありません。地支のうえでは、猿どうし二人にとって「中立」の年です。猿の運勢では、これを五行の巡りで読みます。羊の土は猿の金を生みます(土生金)。ですから干支のレベルでは、背景はむしろ支えになり、構造やルール、年長者に頼りやすい年です。それがあなた個人にどこまで当てはまるかは、完全な命式でしか分かりません。
二人にとって、年のレベルで構造的な打撃がないということは、2027年に何か困りごとがあるとしても、それは「悪い年」ではなく、それぞれの命式と月ごとの巡りのなかに探すべきだということです。ただし注意がひとつあります。支えは猿ひとりひとりに別々の形で届きます。片方がそれを使い、もう片方が気づかずにいると、二人のあいだに不公平感が生まれやすくなります。何がそれぞれの助けになっているのかを、口に出して伝え合いましょう。
年の天干、丁(陰の火)は上から温かさと光を足してくれますが、金に対しては「溶かす」働きです。強い金にとっては焼き入れのように役立ちますが、弱い金にとっては疲れるものです。どちらに当てはまるかは日主しだいで、猿にはそれぞれの日主があります。たとえば日主が庚なら、丁は正官(権威)にあたります。辛なら七殺(圧力)です。日干が違う二人の猿は、同じ年をまったく違うふうに過ごすことがあります。これは年の一般的な背景の話であり、出来事の予測ではありません。
4 恋愛と結婚:同じチームの二人の選手
恋愛の形としての猿と猿は、知的なカップルになります。話すのが好きで、アイデアを交換し、計画なしにどこかへ出かけます。初期の関係はたいてい速く進みます。おもしろく、楽しく、共有する物語がたくさんできます。
難しくなるのは、日常のルーティンを生きる段階に入ったときです。猿は二人とも同じ速さで飽き、長い説明を同じように嫌い、新しいものを求める傾向も同じです。一方が新しい関心事を見つけても、もう一方が反対しないので、結果として共有の財布は未完のプロジェクトの寄せ集めになります。こうした二人に足りないのは、自然な「錨」です。だから意図してつくる必要があります。共有の家、子ども、長期のプロジェクトなどです。どちらかの命式に土(戊・己・辰・戌・丑・未)が多ければ、その人がこの役を担うことがよくあります。
二つ目の弱い点は、正直さです。猿は庚の水準で率直で、壬の水準でずる賢く、二人ともそれを知っています。お互いをだますのは難しいので、試みること自体が意味をなしません。最初に決めておくのがよいでしょう。「何かがおかしいなら、直接言う」。この組み合わせでは、率直な会話は必須の条件です。それがなければ、関係はすぐに猫とネズミのゲームになってしまいます。干支を超えてパートナーを読む方法は、BaZiでみる結婚運にあります。
お金についても一言。猿の申は水の「生」にあたり、八字では水がしばしば流れ、回転、資源の機動力と結びつけられます。猿どうしは「流れに乗って」稼ぐこと、つまり仲介や取引、スピード感のあるプロジェクトでは力を発揮しますが、貯めるのはあまり得意ではありません。一緒に暮らすなら、収入の決まった割合が入る別口座をつくって、二人の合意なしには手をつけないようにしましょう。味気ないですが、二人とも「静かな」地支にいて新しいアイデアが出ない時期に役立ちます。
子どもと家庭にも触れておきます。猿どうしの家庭生活では、子どもがまさにその「錨」になることがよくあります。ルーティン、責任、はっきりした儀式が生まれるのです。ここにも微妙な点があります。猿はどちらも遊びと説明で子どもを育てる傾向があり、しっかりした境界線の価値を見くびりがちです。どの問題で誰が「厳しい役」を担うかを前もって決めておかないと、子どもはすぐに、どちらでも言いくるめられると学んでしまいます。
二つの命式で、二人を確かめる
生まれ年の干支が示すのは、いちばん表の層だけです。「二人の相性鑑定」は、あなたとパートナーの八字を並べ、流派としての留保を添えながら読み解きます。「相性◯%」のような数字は出しません。
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猿どうしの友情は、「ひょうきん者とひょうきん者」の典型的なコンビです。機知を大切にし、議論のための議論が好きで、皮肉もすぐ許します。皮肉はゲームの一部だと、お互いに分かっているからです。ほかの多くの組み合わせと違って、率直な物言いに傷つくことはまずありません。
猿どうしがきょうだいや同僚だと、「身内の競争」が生まれます。勝つことが大切なのは賞のためではなく、自分のほうが賢いと証明するためです。競争が冗談のままであれば、二人の励みになります。神経をすり減らすものになったら、領分を分けるほうがよいでしょう。それぞれに自分の方向があれば、比べるものがなくなります。
5 仕事とビジネス
猿どうしのビジネスの結びつきは、スピードの話です。決断が速く、交渉もすらすら進み、柔軟性は極端なほどです。ペースと独創性が問われるプロジェクト、たとえば貿易、コンサルティング、技術、仲介、サービスでうまく働きます。
足りないのは、実行の深さと、ルーティンに耐える忍耐です。経理、品質管理、長いサイクルの仕事は、第三者に任せるか、厳格な手順として組み立てる必要があります。その第三者(従業員やパートナー)には、土か木が強い人が望ましいでしょう。土は安定を、木は成長をもたらします。命式によるビジネスの相性については、ビジネスパートナーとの相性を四柱推命で見るにまとめています。
6 よくある衝突と、和らげ方
- 主導権争い。どちらも解決策を提案したい。領分を決めましょう。お金は誰、交渉は誰、計画は誰か。
- 退屈。猿はどちらも冷めるのが早い。新鮮さを前もって計画に入れましょう。四半期ごとの旅行、二人で受ける新しい講座など。
- 冗談でなくなった皮肉。機知は、誰も疲れていないあいだだけ働きます。「セーフワード」を決めておきましょう。片方がそれを口にしたら、もう片方は止める。
- 家での落ち着かなさ。家事は「自然に回る」のに任せず、ひとりひとりに割り当てる必要があります。
- 難しいことからの逃避。どちらも仕事や社交に逃げがちだと、問題は向き合われるかわりに、静かにたまっていきます。「二人のこと」を話す時間を毎週確保しましょう。
7 2027年の二人を月ごとに
年そのものは中立ですが、月には、二人の猿に対して関係が働く点がいくつかあります。境目は前後一日ほどずれます。
| 期間 | 月の干支 | 二人にもたらすもの |
|---|---|---|
| 2月4日ごろ〜3月5日ごろ | 壬寅 | 虎(寅)が猿を沖する(寅申沖)。二人とも緊張し、慌ただしさと変化が増える |
| 4月5日ごろ〜5月5日ごろ | 甲辰 | 申と辰は、水の三合・申子辰の外側の二つで、中心の子を欠く。弱い結びつきだが、月はむしろ穏やか |
| 5月6日ごろ〜6月5日ごろ | 乙巳 | 蛇(巳)が猿に巳申合(六合)、巳申破、そして寅巳申の刑(恃勢之刑)の二つの地支を同時にもたらす。二面性のある月で、動きが多く、小さな誤解も増える |
| 8月8日ごろ〜9月7日ごろ | 戊申 | 猿の月。二人とも「自分の」時期で、鏡の効果が強まる |
| 11月7日ごろ〜12月6日ごろ | 辛亥 | 猪(亥)が猿を害する(申亥害)。些細なことで気を悪くしやすい |
| 12月7日ごろ〜1月5日ごろ | 壬子 | 鼠(子)は水の三合・申子辰の中心で、猿に申子の半合をもたらす。あたたかい月で、会話に向く |
注意したいのは、2月と8月が、二人が「加速する」月だということです。2月は外から(虎との沖)、8月は内から(猿の月が映し合いを強める)加速がやってきます。この時期は、争いになりやすい話題を減らし、一緒にやる活動を増やしましょう。反対に12月は、落ち着いた会話と、ふりかえりに向いています。
その先についても一言。2028年2月4日からは猿年の戊申が始まり、二人同時の本命年になります。2027年には8月にしか見えなかった映し合いの効果が、一年じゅうに広がります。二人とも同じ瞬間に変化を望み、二人とも制限により鋭く反応します。引っ越し、二人そろっての転職、共同の事業など大きな一歩を計画しているなら、すべての変化を2028年に同期させず、時期をずらすのが賢明です。地平線にあるもうひとつの日付は2034年、甲寅の虎の年です。年支が二人の命式の申を沖し、二人に共通の揺さぶりの年になります。
8 もっともよくある三つの型
「同じ地支」が異なる命式でどう展開するかを知るために、三つの典型的な配置を頭に入れておきましょう。あなたの姿そのものを描くものではありません。自分の命式に問いを立てるための型です。
型その一:二人とも日主が同じ。たとえば二人とも庚(陽の金、斧)。類似は最大です。同じ反応、共通の率直さ、無意味なルールへの共通の我慢のならなさ。こうした二人はすぐに共通の言葉を見つけ、同じくらいすぐに共通の敵を見つけます。危険なのは「電位差」がないことです。関係には、共同の活動以外に養分がありません。
型その二:日主が互いを養う。たとえば片方が庚、もう片方が壬(陽の水)。金は水を生みます。この場合、年支が共通の背景を与え、日干が自然なやりとりを与えます。一方が構造を、もう一方が動きを供給するのです。猿どうしにとって、もっとも使い勝手のよい配置のひとつです。
型その三:日主が互いを剋す。たとえば庚と甲。金は木を切ります。共有する猿の背景が衝突を和らげますが、日常の些細なことで、片方は絶えず「剪定されている」と感じます。ここでは日支が助けになります。日支が合を結べば、剋は気遣いに変わります。沖であれば、緊張が増します。
9 生年の干支がカップルの運命を決めない理由
年支は、その人の命式の八文字のうちの一つです。年支が同じ猿どうしでも、日支はほぼ確実に違います。たとえば片方の日支が虎(寅)、もう片方が猿(申)なら、夫妻宮どうしが沖になります(寅申沖)。二人にとって、それは生年の干支が一致していることよりずっと重い意味を持ちます。もし二人目の日支が猪(亥)なら、日支のあいだに寅亥合が生まれ、まったく違う姿になります。日主が一致していれば、類似は完全で競争心も鋭くなりますが、互いを養う関係になることもあります。
ですから、本当の相性は、完全な命式と五つの確認項目から計算されます。日主、夫妻宮、用神、星、大運です。相性ガイドに詳しくあります。八字に相性のパーセントはありません。あるのは構造で、二人のどこに支えがあり、どこが薄いかを示します。この記事で「二人の猿」について述べたことは、あなた自身の命式を見るまでは目安にすぎません。
二つの命式を、ひとつの対話に
「二人の相性フル鑑定」は、日主、夫妻宮、五行のバランス、星、大運のかみ合いという五つの構造を、18章で詳しく読み解きます。感情と日常、お金、境界、難しい会話のための手引きも含みます。
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二人とも猿年生まれなのは良いことですか?
それ自体は、プラスでもマイナスでもありません。年支が同じ(伏吟)だと、そこに含まれるものがすべて強まります。スピードも競争心も同じです。性格を決めるのは日主で、猿どうしでも日主はさまざまです。
猿どうしには自刑がありますか?
ありません。古典で自刑とされるのは辰・午・酉・亥で、申は含まれません。干支が同じというだけで、二人がお互いを罰することはありません。
2027年は猿と猿のカップルにどう影響しますか?
羊の年、丁未は、地支のうえでは猿にとって中立で、直接の関係はありません。気をつけたいのは壬寅(虎との沖)、乙巳(蛇との複雑な月)、戊申(猿の月)、辛亥(猪の害)の月です。
猿どうしのいちばんの課題は何ですか?
「錨」の不足です。二人とも飽きるのが早く、始めたことを手放してしまいがちです。共通の長期プロジェクト、責任範囲の固定、定期的な率直な対話が助けになります。
生まれ年だけでカップルを判断できますか?
できません。生年の干支は表層です。本当の相性は、二人の完全な命式を五つの確認項目で比べて見えてきます。八字に相性のパーセントはありません。